薬剤師は高収入で安定した仕事だと思われているようです。多職種の方からお金の心配はもういらないでしょ(笑)と言われることが何度かありました。ですが、高給取りの職業ではありません。
今回はそのことについて書いていきます。
男女別の薬剤師の平均年収
男性薬剤師の平均年収:575万円
女性薬剤師の平均年収:526万円
【平成29年 賃金構造基本統計調査より】
薬剤師は女性が過半数ですが、男性の方が平均年収は高めになっております。女性は出産、育児によって、パートや時短の勤務形態をとります。そのため、約50万円分低くなっているようですね。
20代薬剤師の平均年収
20代男性 408万円
20代女性 418万円
【 厚生労働省 H29年賃金構造基本統計調査より】
薬剤師は薬剤師手当がつくため、初任給が一般の職業より高い傾向があります。20代でみれば女性の平均年収が高めですね。おそらく、女性は給料が高い薬局に就職する割合が多いためだと考えられます。
20代の給料がやや高めなため、後輩のお金の使い方が荒い気がします(笑)
職業別の平均年収
- 製薬会社 :約720万円
- ドラッグストア:約650万円
- 調剤薬局 :約506万円
- 病院 :約450万円
一番稼げる職種は製薬会社に勤めている薬剤師です。能力のあるMRだと入社数年で年収1000万円は軽く超えます。あとは大手製薬会社や外資系企業も高いです。
大手外資企業の開発で働いている友達に年収を聞いてみました。4年勤務して1000万円はあるとのこと。羨ましいー。
次に高いのはドラッグストアで働いている薬剤師です。今自分が働いている職種でもあります。今ドラッグは調剤室を併設している店が増え、それにより薬剤師争奪戦が起こっています。それにより年収は高めに設定されているようです。
一番低いのは病院薬剤師です。一番専門性の高い仕事をしており、やりがいを感じれますが年収低いです。薬剤師より人手不足な医師、看護師の給料が高く設定されているためです。
自分の前職は病院薬剤師でドラッグの薬剤師に転職してから月収が10万円以上増えました。同じ薬剤師でも結構年収の差がみられますね。
参考までに自分の転職前と後の月収です。
病院薬剤師 総支給280276円
ドラッグ薬剤師 総支給427814円
都道府県別の平均年収
都市と地方の年収の差もあります。一般的な仕事だと都市のほうが地方より年収高いでしょう。しかし薬剤師は逆に地方のほうが収入が多いです。
都市部では薬剤師が過剰になりつつありますが、交通の便が悪く人が集まりにくい地方がまだまだ不足しています。需要と供給の関係で地方での仕事のほうが収入はいいです。
1位 山形県 約653万円
2位 岐阜県 約629万円
3位 宮崎県 約613万円
直近5年の薬剤師の年収の推移
2017年 約544万円 平均年齢39歳
2016年 約514万円 平均年齢37.4歳
2015年 約533万円 平均年齢38.7歳
2014年 約531万円 平均年齢38.6歳
2013年 約532万円 平均年齢39.1歳
【 厚生労働省 賃金構造基本統計調査より】
2016年でガクッと下がっていますが、他の年と比べて平均年齢が若いためだと考えられます。2017年と2013年の平均年齢はほぼ同じですが、年収は12万円違います。この結果から薬剤師の年収はまだ上昇傾向にあるようです。
今後の薬剤師の年収予想
ここまで薬剤師の年収を書いてきましたが、今後どうなるのか?
厚生労働省によると2028年に必要とされる「薬剤師従事者」約28万人に対して、予想される薬剤師数約44万人です。薬剤師の供給が増え続け薬剤師不足が徐々に解消されます。需要と供給のバランスが変わり、年収にも影響していくでしょう。今の年収は上昇傾向になってますが、あと数年後に高止まりし下がっていくことが予想されます。
まとめ
同じ薬剤師でも職種、勤務地域、年齢によって年収は大きく異なります。厚生労働省の統計データより、今後の薬剤師の収入が上がる見込みは残念ながらないですね。