膨張する医療費を抑えるために政府は必死になって安いジェネリック医薬品の使用を推進しています。目標は2020年9月までに使用割合80%だそうです。(2018.12月時点で72.6%)
ジェネリックの使用が増えて国の医療費を削減できるのはいいことですが、使用する患者さんには多少リスクもあります。
ジェネリック医薬品への変更のリスクはこんな感じです
これらのリスクを減らす対策として個人的に考えた方法が
ということで今回はジェネリック医薬品について書いていきます。
ジェネリックには先発品と似て非なるものもある
「ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ薬で値段だけが違うもの」と誤認しているひとが結構いるのではないでしょうか。
ジェネリック医薬品とは先発品の特許が切れた後に販売されます。同じ有効成分で、原則的に同じ効能・効果を持つとされる医薬品のことです。
ただ、医療現場では「先発品と効き目、品質は本当に同じなのか?」と疑問の声も上がっています。
そう思われる理由としては、先発品との添加物や剤型が違うだけで体内の吸収速度や分解速度が変わります。それが薬効に影響し、効きすぎたり、逆に効きが弱くなったりすることがあります。
よって完全に同一とは言えません。
例えば、同じホットケーキミックス粉でホットケーキを作るとします。
作り方や他の材料が異なると、全く違う味のホットケーキができますよね。
他の材料は薬でいうと添加物にあたります。牛乳か水、卵の個数、はちみつかメープルシロップを使うのかで全然違うものが出来るでしょう。また、焼くときも中火か弱火かで違いが出ます。
ジェネリックの半分以上が外国産原薬で品質管理に不安
ジェネリック医薬品の原薬は60%以上が外国から調達しています。
たまに異物混入などで自主回収が起きることもあります。
近年では降圧薬に発がん性物質が混入しているのが発覚し自主回収したり、
胃腸薬のなかにドーピング検査で禁止薬物に指定されている成分が混入していたりと色々ニュースになっていました。
なぜ、ジェネリック医薬品にはこんなにも混入事件が多いのか?
先発品を製造するメーカーの工場は品質管理が厳格でそういった問題はほとんどありません。一方、ジェネリック医薬品を製造するメーカーはコストカットのため、中国やインド、韓国などから原薬を調達しています。
製造や品質は国が定めた基準に基づいているはずなのですが、どうやら海外のすべての工場で確実に守られているわけではないようです。ですので異物混入のニュースがたびたびあり、供給不足になることもあります。
開発に莫大な資金を回せる先発品メーカーと臨床試験を省略して販売できるジェネリック医薬品のメーカーとでは技術力に差が出るのは仕方がないのかもしれません。
以下はジェネリックと先発品メーカーそれぞれの時価総額です。ご覧のように資金が桁違いです。
参照:Yahoo!ファイナンスより
リスクに対する対策
対策①
後発品分割調剤
これはジェネリック医薬品を初めて使うときに医療機関に言えばやってもらえます。
ジェネリックが自分にあうか分からないし、お試しで使ってみようかなという場合に
適応されます。
例えば、3週間処方が出ていて、最初の3日だけジェネリックを試してみるとします。
自分にあっていれば残り日数もジェネリックで調剤してもらえますし、逆に合わなかったら残りは先発品に変えることもできます。
処方してもらうときに分割調剤を希望して「分割指示に関わる処方箋」をもらえるので薬局に処方箋と合わせて出しましょう。
対策②
オーソライズド・ジェネリック(AG)にする
有効成分はもちろんのこと、原薬、添加物、製法が先発品と同じジェネリック医薬品のことです。モノによっては同じ工場で作られているものもあります。もうほとんど先発品と同じと言っても過言ではありません。しかも先発品より安いです。
なぜ、添加物も製法も同じなのか?
先発品メーカーから特許の許諾を得て製造してるからです。先発品メーカーの系列会社が多く、まったく同じ工場や生産ラインで販売していることもあります。
考えようによってはオーソライズド・ジェネリックがあるのに先発品で服用するのは損なのかもしれません。
オーソライズド・ジェネリックは他のジェネリック医薬品とは違うブランド力があります。
薬局に調剤してもらうときに「オーソライズド・ジェネリックがあればお願いします」と言ってみましょう。噛みそうなら「AG(エージー)」でも伝わります。
オーソライズド・ジェネリックって言うの噛みそうだ。と思った方はプッシュお願いします
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