先日の接客のやりとりです。
色んな種類の整腸剤あるけど、何か違いあるのかな?
整腸剤は特に大きな違いありません。副作用の報告もあまり聞きませんし使いやすいお薬になっております。
という専門家っぽく接客をしたのですが、果たして本当に整腸剤で違いがないのか?と後になって疑問が湧いてきました。
いやー
適当に接客したわけではなくいんですけど……後になって気になってしまって
薬剤師国家試験の勉強していても整腸剤の違いについては学んでいなかったし、効果に大きな違いはないものだと思っていし・・(;^ω^)
勉強不足だ。
これはいい機会だと思い、個人的にベストだと思う整腸剤を考えてみました。
整腸剤の効果
腸内フローラを整えることで軟便や便秘に効果を発揮します。
そもそも「腸内フローラ」とは、なんなの?って話ですが、
腸の中には多種多様の細菌が生息しており、顕微鏡で見るとお花畑に見えることからそう呼ばれています。
その腸内フローラが乱れていると下痢や便秘になりやすいのです。
いわば手入れされていない雑草だけの花壇のようなもの。
で、整腸剤はその雑草を少なくしたり花を増やしたりしてバランスをとる役目になります。
整腸剤ってそんなに効果ないでしょ(笑)って思っているあなた!
整腸剤を舐めないでください!
乳酸菌製剤などの整腸剤は感染症の下痢に対して効果あり、とされている報告がざっと調べてみたら数十件ほどありました。内服でだいたい下痢が1日くらい短縮するようです。
抗生剤服用でよくお腹が緩くなることがあります。そんなときも予防で整腸剤が効果あるとの報告が出ています。
【参考】
Probiotics for the prevention and treatment of antibiotic-associated diarrhea: a systematic review and meta-analysis. JAMA. 2012 May 9;307(18):1959-69. doi: 10.1001/jama.2012.3507.
Probiotics for antibiotic-associated diarrhea: do we have a verdict?
整腸剤の違い
市販の整腸剤は何種類もあって違いが何なのか分からない人も多いと思います。
大きな違いは有効成分の菌の違い です。
代表的な善玉菌です。
乳酸菌
乳酸を産生して整腸作用を示す
糖化菌
乳酸菌やビフィズス菌を増やす
酪酸菌
乳酸菌やビフィズス菌の作用を助ける。
乳酸菌、糖化菌、ビフィズス菌など色んな菌があるけど効果に差があるのか?
残念ながら菌の種類や量の使い分けは今のとことよく分かっていません。
整腸剤飲むベストタイミング
ふと思ったのが、どんだけ素晴らしい善玉菌を飲んだとしても腸(お花畑)に行かなきゃ意味なくないか?
で、調べました。
【引用】ミヤBM錠 医薬品インタビューフォーム
酪酸菌以外の菌はpH3.5で死んじゃうのかよ………
空腹時での胃のpHはだいたい3.5以下で、食後はpHが上がって3.5以上になります。
食後の胃のpHが上がった状態で飲むのがベストかも!
【引用】新ビオフェルミンS おくすりQ&A
新ビオフェルミンSのメーカーさんの情報にも食後に飲んだほうがいいよ、と記載があります。
もし食前に飲んだら、善玉菌が強い胃酸にダイブして即ご臨終になるので気を付けてください。
個人的にいいなと思う整腸剤
「菌の種類や量の使い分けは今のとことよく分かっていないのであれば、胃酸に強い酪酸菌が入った整腸剤で良くないか」
というのが個人的な見解です。
で、酪酸菌が入っている代表的な整腸剤はこちらです。