薬局が増え続けています。今やコンビニの数より多く、病院の周りに乱立しています。なぜ薬局が多くなっているか?それは単純に儲かるからです。
あまり一般人には知られていませんが、今バブルといってもいいでしょう。
今回は薬局の現状と薬局経営の美味しいビジネスモデルを簡単に説明します。
薬局数の推移
以下は過去20年の全国の薬局数の推移です。ご覧の通り右肩上がりで今も増え続けています。
1989年は36670軒で2017年度の薬局数は59138軒。
もう30年以上も増加傾向でいつになったら頭打ちになるのでしょうか。
(ちなみにコンビニの数:55322店舗 2017年12月)
参照:厚生労働省の統計より
処方箋枚数の推移
医薬分業元年の1974年以降から処方箋枚数は増え続けています。
1974年の処方箋枚数は約100万枚でしたが、2017年度では約8億枚まで増えています。今や20年前の倍まで増え続けています。
要因としては考えられるのは、超高齢社会となり外来に受診するお年寄りが多くなっているからです。
処方箋が増えるということは、それにより薬局の利益も大きくなります。
参照:厚生労働省の統計より
調剤医療費
調剤医療費は簡単にいうと薬局の売り上げです。
2017年度の調剤医療費は7兆7129億円となっています。
今の薬局は7.6兆円の市場でシェアを奪い合っているという状況です。
以下は近年の調剤医療費の推移です。2008年のリーマンショックの影響は全く関係なしですね。順調に伸びてきていますが、ここ3年は頭打ちになっているような気がします。そろそろ天井なのでしょうか。
参照:厚生労働省の統計より参照
他にはない薬局のビジネスモデルの特徴
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国民皆保険制度で顧客(患者)が全額負担しなくてもいい
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医療機関の近くに開局して薬剤師を置けばビジネスが成り立つ
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報酬の請求相手が国のため、支払いが滞る心配がない。
- 医療用薬の価格が厚労省で決められていて値引き合戦が起きない
他社と値引き合戦をしなくていいのはかなり特徴的ではないでしょうか。他の業種だといかに安くするかで過度な競争が起きますが、薬局にはその心配はありません。都会だろうが田舎だろうが全国一律です。
また、請求の大部分は健康保険を管理する国なので逃げられることは絶対ありません。
簡単に言うと
病院の近くに土地を確保して、薬剤師雇って、インフラ整えさえすれば儲かる仕組みです。
ハードルが低くて簡単に儲かるビジネスなのでどんどん薬局の数が増えていきます。
今後どうなるか?
今、薬局業界はバブルと言ってもいいでしょう。ITバブル崩壊、リーマンショックでさえも売り上げは上がり続けていました。ただずっと右肩上がりが続くことはないでしょう。必ず衰退期がやってきます。それが一年後なのか十年後なのかは分かりません。今は国の制度に守られて利益を増やしていますが、改正されれば一気にバブル崩壊ということもありえます。